運行管理者

「運行管理者の業務」についての問題が、毎回出題されている。ポイントは、事業者の義務や整備管理者の業務との間違いを誘った引っ掛け問題に注意!

1.運行管理者の選任(貨運法第18条、安全規則第18条)

事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、各営業所において、法令で定められた数以上の運行管理者を選任しなければならない。なお、1つの営業所において複数の運行管理者を選任する事業者は、それらの業務を統括する運行管理者(統括運行管理者)も選任しなければならない。

 

運行管理者選任数の計算方法

5両以上30両未満の事業用自動車の運行を管理する営業所
(特別積合せ貨物運送の運行車及び被けん引自動車を除く

1人以上

 

30両以上の事業用自動車の運行を管理する営業所(被けん引自動車を除く

管理する事業用自動車の台数一被けん引自動車の台数)÷30+1
*1未満の端数は切り捨て

 

 

運行管理者選任数の計算方法は、事業用自動車の総数から被けん引自動車の数を引くこと!しばしば、出題される問題なのでしっかりマスターしておこう!

 

例題1
事業用自動車130両(うち、被けん引自動車20両)の運行を管理する営業所には、運行管理者は4人以上必要である。

答え

正  30両以上の事業用自動車(被けん引自動車を除く)の運行を管理する営業所における運行管理者の選任数は、(管理する事業用自動車の台数一被けん引自動車の台数)÷30+1の式で計算する(*1未満の端数は切り捨て)。この式に当てはめると、(130-20)÷30+1≒4である。したがって、運行管理者を4人以上選任する必要があるというのは正しい。

 

例題2
当該営業所が運行を管理する事業用自動車の車両数が120両(うち、被けん引自動車0両)で、現在5人の運行管理者が選任されている営業所において、70両(うち、被けん引自動車20両)増車する場合には、運行管理者を2人以上追加選任しなければならない。

答え

誤 70両増車した場合の運行管理者の選任数は、(190-20)÷30+1≒6である。したがって、運行管理者の追加選任数は1人である。

 

2.運行管理者の業務及び権限(貨運法第22条、安全規則第20条)

事業者は運行管理者に対し、業務を行わせるために必要な権限を与えなければならない。

運行管理者の主な業務

①事業者が運転者として選任した者以外に事業用自動車を運転させないこと
②乗務員の休憩・睡眠施設の適切な管理
③休憩・睡眠時間が十分確保されるような乗務割の作成
酒気帯び状態にある乗務員を事業用自動車に乗務させないこと
乗務員の健康状態の把捉に努め、疾病、疲労その他の理由により安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させないこと
⑥運転者が長距離または夜間の運転に従事する場合、あらかじめ、交替の運転者を配置すること
⑦従業員に対する過積載運送防止についての指導・監督
⑧貨物の積載方法についての従業員に対する指導・監督
⑨運転者に対する点呼、報告要求等
⑩運転者に乗務の記録をさせ、それを保存すること
運行記録計の管理、及び記録の保存
事故の記録及び保存
運行指示書の作成
運転者台帳の作成
⑮乗務員に対する特別な指導、ならびに運転者に適性診断を受診させること
⑯異常気象等により輸送の安全確保に支障を生ずるおそれがあるとき、輸送の安全確保に必要な措置を講じること
⑰自動車事故報告規則に定められた事故防止対策に基づく従業員の指導・監督 -など

 

このほか、運行管理者は事業者に対し、事業用自動車の運行の安全の確保に関し必要な事項について助言を行うことができる。事業者はこの助言を尊重しなければならない。
また、事業用自動車の運転者その他の従業員は、運行管理者がその業務として行う指導に従わなければならない。

 

運行管理者は適切な管理と乗務割をするにとどまる。特に、②③については事業者の義務との間違いを誘う問題が、よく出題されるので( 輸送の安全「1過労運転の防止」)注意すること。

 

例題
運行管理者は、休憩又は睡眠のための時間及び勤務が終了した後の休息のための時間が十分に確保されるように、国土交通大臣が告示で定める基準に従って、運転者の勤務時間及び乗務時間を定め、当該運転者にこれらを遵守させなければならない。

答え

誤 勤務時間及び乗務時問の策定は、運行管理者の業務ではなく、事業者の義務である。

3.運行管理規程(安全規則第21条)

事業者は、運行管理者の職務・権限、統括運行管理者を選任しなければならない営業所にあっては、その職務・権限並びに事業用自動車の運行の安全確保に関する業務処理基準について、運行管理規程を定めなければならない。

 

運行管理規程の策定は、事業者の義務運行管理者の業務ではないので注意すること!

 

4.運行管理者の指導・監督(安全規則第22条)

事業者は、運行管理業務の適確な処理及び運行管理規程の遵守について、運行管理者に対する適切な指導・監督を行わなければならない。

 

5.運行管理者の研修(安全規則第23条)

事業者は、運輸支局長等から運行管理者について研修を行う旨の通知を受けたときは、運行管理者に当該研修を受けさせなければならない。

 

6.運行管理者資格者証の交付(貨運法第19条、安全規則第24条)

事業者は、運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから、運行管理者を選任する。
この資格者証は、国土交通大臣が運行管理者試験合格者のほか、事業用自動車の運行管理に関し1年以上の実務経験を有し、かつ、国土交通大臣の定める職務に2年以上従事した経験を有する者など一定の実務経験がある者に交付する。

もっとも、国土交通大臣は、次のいずれかに該当する者に対しては、資格者証の交付を行わないことができる。

国土交通大臣が、資格者証の交付を行わないことができる者
①資格者証の返納を命ぜられ、その日から2年を経過しない者
②貨運法もしくは同法に基づく命令等に違反し、同法の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者

 

7.運行管理者資格者証の訂正(安全規則第26条)

資格者証の交付を受けている者は、氏名に変更を生じたときは、原則として、申請書に当該資格者証及び住民票の写し等を添付して地方運輸局長に提出し、資格者証の訂正を受けなければならない。もっとも、この資格者証の訂正に代えて、資格者証の再交付を受けることもできる。

 

8.運行管理者資格者証の返納(貨運法第20条、安全規則第28条)

国土交通大臣は、資格者証の交付を受けている者が貨運法もしくは同法に基づく命令またはこれらに基づく処分に違反したときは、資格者証の返納を命ずることができる。
資格者証を失ったために資格者証の再交付を受けた者は、失った資格者証を発見したときは、遅滞なく、発見した資格者証をその住所地を管轄する地方運輸局長に返納しなければならない。

 

例題1
運行管理者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務の処理基準に関する規程(運行管理規程)を定めなければならない。

答え

誤 運行管理規程の策定は事業者の義務であって、運行管理者の業務ではない。

 

例題2
事業者は、運輸支局長等から運行管理者について研修を行う旨の通知を受けたときは、運行管理者又は補助者に当該研修を受けさせなければならない。

答え

誤 事業者が研修を受けさせなければならないのは運行管理者のみであり、これを補助者に受けさせることはできない。

 

例題3
国土交通大臣は、運行管理者資格者証の交付を受けている者が貨物自動車運送事業法若しくは同法に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、当該運行管理者を選任した一般貨物自動車運送事業者に対し、その運行管理者資格者証の返納を命じることができる。

答え

誤 国土交通大臣が運行管理者資格者証の返納を命じる相手は、事業者ではなく、当該運行管理者である。

 

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