輸送の安全

「過労運転の防止」が、毎回のように出題されている。事業者の義務と運行管理者の業務の間違いを誘った問題がよく出るので、しっかり区別して覚えておこう!

 

1.過労運転の防止(貸運法第17条第1項、安全規則第3条)

貨物自動車の運転者が過労のまま運転をすることは、大事故につながるおそれがある。
そこで、貨運法及び安全規則は事業者に対し、運転者の過労運転防止のために次の措置を講じる義務を課している。

過労運転防止への事業者の義務

①事業計画に従い業務を行うに必要な員数の運転者を常時選任しておくこと
②乗務員の休憩・睡眠施設の整備、管埋、保守
③運転者に休憩・睡眠時聞及び勤務終了後の休息時間が十分確保されるよう、勤務時間及び乗務時間を定めること
④乗務員の健康状態の把握
⑤運転者が長距離または夜間の運転に従事する場合、あらかじめ、交替の運転者を配置しておくこと

 

 

上記の内容はいずれも事業者の義務。運行管理者の業務との間違いを誘った問題がよく出題されるので注意が必要。運行管理者は休憩・睡眠施設の「整備・保守」はしなくてもいい、「適切な管理」をするにとどまる。また、運行管理者が策定するのは「勤務時間及び乗務時間」ではなく、「乗務割」である。

 

2.過積載の防止(貸運法第17集第2項、安全規則第4条)

貸運法は輸送の安全を図るために、事業者に対し、過積載による運送を助長する次の行為を禁止している。また事業者は、過積載による運送の防止について、運転者その他の従業員に対する適切な指導及び監督を怠ってほならないとされる。

事業者に禁止される行為

①過積載による運送の引受け
②過積載による運送を前提とする事業用自動車の運行計画の作成
③事業用自動車の運転者その他の従業員に対する過積載による運送の指示

 

3.公衆の利便を阻害する行為の禁止(貸運法第25条)

事業者は、荷主に対し、不当な運送条件によることを求め、その他公衆の利便を阻害する行為をしてはならない。また、一般貨物自動車運送事業の健全な発達を阻害する結果を生ずるような競争や、特定の荷主に対する不当な差別的取扱いも禁じられる。

これらの行為があるときは、国土交通大臣は事業者に対し、当該行為の停止または変更を命ずることができる。

 

4.安全マネジメント(安全規則第2条の2、安全マネジメントに関する指針)

安全規則第2条の2及びこれを受けて定められた安全マネジメントに関する指針は、事業者に対し、次の措置を講ずる義務を課し、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならないとしている。

輸送の安全性向上に向けた事業者の義務(努力義務)

①経営責任者の責務の明確化
②輸送の安全に関し責任ある体制の構築
③輸送の安全に関する基本的方針を策定し、それを全従業員に周知させる
④事故件数その他の具体的な指標を用いた輸送の安全に関する目標設定
⑤輸送の安全に関する計画の作成・・・など

 

5.輸送の安全にかかわる情報の公表(安全規則第2条の8)

事業者は、国土交通大臣から輸送の安全に係る処分を受けたときは、遅滞なく、当該処分の内容並びに当該処分に基づき講じた措置及び講じようとする措置の内容をインターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。
また、事業者は、毎事業年度の経過後100日以内に、次の輸送の安全にかかわる情報について、インターネットの利用その他適切な方法により公表しなければならない。

事業者が公表しなければならない情報

①輸送の安全に関する基本的な方針
②輸送の安全に関する目標及びその達成状況
③自動車事故報告規則に規定する事故の統計

 

例題
運行管理者は、乗務員が有効に利用することができるように、休憩に必要な施設を整備し、及び乗務員に睡眠を与える必要がある場合にあっては睡眠に必要な施設を整備し、並びにこれらの施設を適切に管理し、及び保守しなければならない。

答え

誤 運行管理者の業務は、休憩・睡眠施設の「整備・保守」にまで及ばず、「適切な管理」にとどまる。

あわせて読みたい関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です